潮風と海霧の向こうに現れる暮らしの気配。

青い海と緑の丘に挟まれた細い砂浜。厚岸から浜中へと続く道道123号沿いに、ひっそりと佇む末広の集落。観光地図には載らないこの場所は、北海道の海辺の暮らしを静かに物語る。
夏の陽光を浴びて輝く海面と、なだらかな緑の丘陵が織りなす風景。砂浜に点在する小さな漁具小屋や、波を静める消波ブロックの列。それらが作り出す幾何学模様は、この地の生活と自然との調和を表している。

道道123号を走れば、いつの間にか通り過ぎてしまうかもしれない。しかし、ふと足を止めてみれば、そこには小さな暮らしの営みが広がっている。末広の浜に立ち、遠く地平線を眺めれば、きっと誰もが感じるだろう。この景色の中に、北海道の海と大地が紡ぐ悠久の物語を。